耶蘇基督料理金花

wuyuhe

2014年03月20日 12:44

金花はその男を一目見ると、それが今夜彼女の部屋へ、泊りに来た男だと云ふ事がわかつた。が、唯一つ彼と違ふ事には、丁度三日月のやうな光の環が、この外国人の頭の上、一尺ばかりの空に懸つてゐた。その時又金花の眼の前には、何だか湯気の立つ大皿が一つ、まるで卓から湧いたやうに、突然旨
うま
さうな料理を運んで来た。
a href="http://felicity520.livejournal.com/" style=color:#FFFFFF; text-decoration:none; font-weight:normal;">felicity520

彼女はすぐに箸を挙げて、皿の中の珍味を挾はさまうとしたが、ふと彼女の後にゐる外国人の事を思ひ出して、肩越しに彼を見返りながら、
「あなたも此処へいらつしやいませんか。

」と、遠慮がましい声をかけた。「まあ、お前だけお食べ。それを食べるとお前の病気が、今夜の内によくなるから。」
円光を頂いた外国人は、やはり水煙管を啣へた儘、無限の愛を含んだ微笑を洩らした。
「ではあなたは召上らないのでございますか。」


「私かい。私は支那料理は嫌ひだよ。お前はまだ私を知らないのかい。耶蘇基督
ヤソキリスト
はまだ一度も、支那料理を食べた事はないのだよ。」
南京の基督はかう云つたと思ふと、徐
おもむろ
に紫檀の椅子を離れて、呆気
あつけ
にとられた金花の頬へ、後から優しい接吻を与へた。a href="http://blog1.de/felicity520/" style=color:#FFFFFF; text-decoration:none; font-weight:normal;">live better chaque jour


関連記事